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パットメセニーグループライブ報告

since 2002-09-29, last update 2003-03-26
山下達雄

はじめに

2002 年 9 月 20 日に、パットメセニーグループ (PMG = Pat Metheny Group) のライブへ行ってきました。業界人である廣瀬氏にチケットを取ってもらったおかげで前の方でみれて幸せです。こういうライブは初体験だけど、かなり感激でした。生パット、良かったです。いっしょに見に行った方々から頂いたコメントをもとにレポートを作成しましたので御報告させていただきたいと思います。

コメントを頂いた参加メンバーの方々にはこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

基本情報

PAT METHENY GROUP, SPEAKING OF NOW TOUR
- 9/20（金）13:00 開演　東京・NHKホール (参考)
- 9/20 (昼) は追加公演 (本来は 9/19 と 9/20 の夜のみ)
- VTR 収録を目的とした公演
参加者(50音順): 笠松、 Goto、八田、廣瀬、山下(私)
不本意ながら不参加: 高林 (;_;)

席について

前から五列目の席。S 席 1 階 5 列 7000 円 (夜の部より若干安い)
ドラムセットの前だったので、ドラムが強烈。もうちょっとライルのピアノがききたかった。(山)
- というか、かなり変則的なセット配置でしたね。後ろの席で聞いたときは、バランスもとれてて良かったです。(廣)
  - 注: 廣瀬氏は途中、後の空き席へ行ってみたりしていた
- 前過ぎて楽しかった点も多かったけど、バランスはちょっと後ろの方が良かったんですね。キーボードとボーカルはもう少しバランスよく聞けたら気持ちよかったですね。
  でも、パットがギターを倒しそうになった時”はらはら”したのですが、後ろだと、そう言った感覚は得られなかったでしょうね。きっと、ステージの臨場感はより得られたのではないかと思います。それから、ドラムもギターもＰＡなしの生音で聞けましたし、ガットギターやスティール弦のギターは生音の方が絶対良かったですよきっと。 (笠)

演奏された曲について

演奏曲リストを入手しました。(廣)
- 1 Last Train Home
- 2 Go Get It
- 3 Proof
- 4 As It Is
- 5 How Insesitive
- 6 Afternoon
- 7 Gathering Sky
- 8 You
- 9 A Place in The World
- MC
- 10 Scrap Metal
- 11 Another Life
- 12 On Her Way
- 13 Into The Dream
- 14 Are You Going With Me
- 15 Bright Size Life
- 16 Roots of Coinsidence
- 17 Map of The World & In Her Family
- MC
- 18 Minuano
- Encore
- 19 Song For Bilbao
事前に今回のライブで『First Circle』が演奏されるかどうかが話題になっていましたが結局無しだった。(山)
- 『First Circle』は東京（昼）以外では演奏されていたそうです。(廣)
ヴォーカルが「♪ビンラディン～」と歌っているように聞こえるとして話題沸騰だった『You』はビンラディンっぽく聞こえなかった。(山)
最初の曲、『Last Train Home』はパットのギターソロ。しばらくは何の曲だか分からなかった。「レディースアンドジェントルメン、パットメセニー!」というアナウンスの後に一人で登場しいきなりひく。(山)
二曲目の『Go Get It』。パットとアントニオ・サンチェス(drum)の二人で即興がすごい。その後、「レディースアンドジェントルメン、パットメセニーグループ!」というアナウンスでみんな出てくる。(山)
5 曲目はギター、ドラム、ベースでラテンの曲。最後の方にピアノも。多分、『insensatez』というラテンのスタンダード曲だと思うのだが? パットのどれかのCDで既出ですか?
パット弦がいっぱいある変なギターで演奏する曲( =『Into The Dream』)が印象的。そのギターはベースも鳴らせる。ギター、ドラム、ピアノだけの演奏だったかな。(山)
- あれ、「ピカソ」という名前のギターらしいです。(廣)
  - あれはもはやギターというより琴ですよねぇ。(Go)
  - 基本的に6弦と12弦のダブルネックですけど、6弦側は謎なオープンチューニング。 12弦側はクロマチックなチューニングで丁度 1oct.出るようですね。でボディ下側、エンドピン方向に向って張られた12弦はペンタトニックっぽいチューニングでした。
    それと対角側に張られた弦(6～12弦ぐらい、良くわからない) はどんな音にチューニングされてたのか、見当もつきませんが直接それらの弦を弾くことがなかったのを考えると、シタールの共鳴弦的役割なのかなぁ、と思いました。(廣)
  - ピカソギター(Pat Metheny's Picasso guitar)の写真を見つけました。でも、この写真のやつは首が一本多いような。(山)
- ベースが鳴るというより、ベースパートの際は、オクターバ（オクターブ下を出すエフェクタ）を通していたようです。(廣)
  - そうか、オクターバだったのか。ハンマリングする度にスピーカをびびらせてましたものね。(Go)
  - ベースを弾く前に、ボディ上部のスイッチを触っていたようなので、あれがエフェクターのon/offになっていたんじゃぁないでしょうか。(廣)
- ちなみにあの曲って Imaginary Day の Into The Dream だと思って聴いてたのだけど、なんかちょっと違うような印象も残ってたのだ。あまり聴き込んで行かなかったのでどこを違うと思ったのかは不明。(Go)
『minuano』 in 「still life (talking)」
- ここのところ、ミヌワノは〆の定番なんですが、なんつーか、演奏の手抜き感がありますねー。新グループで、以前のスリリングさが戻ってくるかと思ったのですが。中期PMGの代表曲の一つなので単に演奏が難しいのかな? (廣)
- 確かにこの曲ラストなのにいまいちの演奏でした。さくっと終わってしまったって感じで、パットのテーマの演奏もいまいちでした。(笠)
『roots of coincidence』 in 「imaginary day」。ライルがギターもひく。
- Imaginary dayライブのDVDの演奏の方がライルブチ切れですよ。 # でも、あのつたない感じはなかなか素敵。(廣)
- 初め、弾いていることすら気付かなかった。ボナさんも弾いていたからそっちの方が気になってしまいました。(笠)
- Imaginary Day Live DVD を家で流していて、このこの曲のあの部分だけがむっちゃボルテージ高くて夜中に見ていると近所迷惑だったりする (^^; (Go)
新曲。ラッパが主役。
何でも屋のリチャード・ボナがベースをひくトリオの曲は、何ていう曲でしょうか? (山)
- これはBright Size Lifeですね。同名タイトルのデビュー作で、故ジャコといっしょにやっていました。(八)
何しろ３時間ぶっとおしだったので、もりだくさんすぎた。(山)

メンバーについて

パット・メセニー (g)
- 今日のパットのシャツはチェックか横縞か、と話題になっていたが、結局、横縞のシャツであった。(山)
- 他のメンバーはときどき消えて休んでるのに、パットだけ3時間でづっぱり。(山)
- 気持よさそうにひく。ときどきはねる。一回、立ててあるギターにぶつかってた。(山)
- ソロの曲に関しては、オクターバが利用されていたと思います。(廣)
  - なるほど、低音弦を張っているのだと思っていました。(笠)
ライル・メイズ (p,key)
- 弱々しい感じ。しょっちゅうステージのそでに消えている。虚弱体質なのか? でも、いつもこんな調子らしい。(山)
- 紹介されるときに、謎のカンフーポーズ。(山)
  - たぶん、日本==カンフー(というよりブルース・リー)なんではないかと...(八)
スティーヴ・ロドビー (b)
- 木のでかいベースだったが、ときどきエレキベース。後列の谷にいたのでよく見えなかった。(山)
- グループとしての最初の曲で進行を見失ってあとで謝っていたような気がしますが、気のせいかもしれません。(八)
リチャード・ボナ (perc, vo)
- 全般にボナは素晴らしかったですね。(八)
- ボナさん良かったですね。歌も上手いし、ベースはテクニックも申し分ないけど、リズムのノリが最高でした。あれだけのテクニックで、あのリズムの良さはなかなか聞けません。(笠)
- 黒人でサングラスなので、スティービーワンダーっぽい(あまり黒人ミュージシャンと見慣れていないもので...)。(山)
- パーカッションだけでなく、ギター(ベース)もしょっちゅうひいているっぽいがパーカッションセットの蔭にかくれてよく見えなかった。(山)
- 砂の入った筒や玉をしゃかしゃか。(山)
  - 短い筒や玉は、シェイカーです。長いのはレインスティックです。(廣)
- メインボーカルですね。『You』の声もこの人。(山)
- 自分の声を歌いながら録音してハモる、というソロあり。おもしろー。(山)
  - あれは、ジャコ (注: Jaco Pastrius) の得意としていたディレイ活用一人オーバーダブソロですね。イマドキなので、サンプラーを使っていたんだと思います。
    有名なプレイとしては Joni Mitchellの``Shadows and Light'' における驚愕のベースソロがあります。
    いかにパットがジャコを好きだったか、このDVDを見ると良くわかります。(廣)
- 一曲だけ (= 『Bright Size Life』)、ステージの前に出てエレキベース。(山)
  - 素晴らしいプレイでした。あんなに楽しそうにギターを弾くパットは、上にあげたライブ以外、あんまり記憶にないぐらいです。(廣)
- 左側にあったのは、木琴か鉄琴か? (山)
  - マリンバのような音がしていましたが、あるいは音が変えられる鉄琴なのかもしれません。(八)
- パットによる２回目メンバー紹介では「everything」として紹介されてた。１回目は「guitar, vocal, ...(忘れた)」だった。(山)
クン・ヴー (tp, vo)
- 一見おぼっちゃま風のベトナム系。いいひと系か? (山)
- トランペットを吹く。今までパットのギター音やライルのキーボード音だと思っていたののいくつかはトランペットであったと知る。というか、「speaking of now」にトランペットがあったとは知らなかった。(山)
- トランペットには何やら電子的な仕掛がありそうな。テーブルのスイッチをいろいろいじりながら吹いていた。(山)
  - 音色的には何となくブッカー・リトルやケニー・ドーハムを思い出しました。(八)
- ボーカルはリチャード・ボナのハモりが多い。(山)
  - PMGでは白玉（共通低音などをながーく伸ばして演奏すること。全音符の見た目に由来）がおおく、ボーカリストはVocalというよりも白玉として使われるので、目っ茶キツイです。(廣)
- vibe もよくたたく。右側にあったのはなんでしょう? よくたたいていたけど。(山)
  - シンバルをマレットで叩いていたのではないでしょうか。(八)
アントニオ・サンチェス (ds)
- かなり叩いていた。顔をつきだして演奏していた。(山)
- ２回目のソロ(アンコール)では疲れていたようだ。１回目のソロでは、かなり激しく打っていたのだが。(山)
  - バカテクでしたが、繊細さには欠けるような気がしました。(八)
  - あの人はあ～ゆうのが演奏スタイルなんだと思います。あらっぽいというか、テンションが一定でないというか。ちなみに今までのドラマーの中で一番好きです。(廣)
  - わしも気に入ってます。決して荒っぽいとは思いませんでした。たしかに繊細な面は見られませんでしたが、強弱もうまかったと思うしシンバルの音も多彩だったし、不満はなかったです。(Go)
  - ドラマーは、どんなことやっていたか理解できませんでした。(笠)
  - バカテクドラム好きなので満足でした。(山)

その他

この公演のDVDをつくるみたいです。(廣)
- 撮影があるということでオレンジ色の目立つシャツを着て行って正解！(山)
素晴らしいライヴを素晴らしい席で見ることができ感激しました。廣瀬さんには紅茶までおごっていただき感謝に堪えません。(八)
久しぶりに凄いの見たって感じでした。脳味噌までしびれてましたよ。(笠)

追記

2003-03-26

2003 年 3 月の WOWOW での放送をビデオでチェック。放送されたのは以下の曲 (数字はライブでの曲順)。番組は 90 分ほどだったけど、DVD は 2 時間半になるそうな。

1 Last Train Home
2 Go Get It
4 As It Is
3 Proof
7 Gathering Sky
8 You
11 Another Life
12 On Her Way
19 Song For Bilbao

2003-02-08

PATWEEKというパットの非公式サイトの掲示板で紹介されました。

それが縁だと思いますが、naoto さんからタレコミ情報 (ありがとうございます)。クン・ヴーが左向いて使用していたのは、electoric sheicer だそうです (本人に聞いたそうです)。とはいえ、sheicer がなんなのか調べても分からないのですが...。

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